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07日

殺処分回避の「犬引き取り業」が存在

 

栃木県ペット遺体遺棄事件で裏社会が見えてきました。今後の対応が求められます。

 

殺処分回避の「犬引き取り業」劣悪環境で保管も

読売新聞 2014年12月6日

 

 栃木県で小型犬の死骸が大量に見つかった事件で、廃棄物処理法違反などの疑いで逮捕された元ペットショップ店員、木村正樹容疑者(39)は、廃業したブリーダー(繁殖業者)から有料で引き取った犬を捨てていたことが分かった。

 ブリーダーなどの犬猫を自治体が引き取らなくなる中、引き取り業者の存在が注目を集めている。

 「引き取り業」。同県北部に住む60歳代男性の名刺には、こう書かれていた。

 男性によると、仕事の内容は、県内外のブリーダー、ペット店で不要になった犬や飼われていた犬を引き取り、別の業者や家庭に売ること。病気の犬や繁殖に適さない犬ほど世話するのに手間がかかるため、高い料金で引き取っているという。

 これまで行政に保護された捨て犬の大半が殺処分されてきた。男性は「犬をリサイクルし、殺されない道を探すために我々のような存在は必要。ほかにも同業者はいる」と強調した。

 「引き取り業者」について、あるブリーダーは「劣悪な環境で犬を保管し、死んだり手に余ったりすれば捨てると聞いている」と話すが、この男性は「10年以上この仕事をしているため、自分には多くの転売先がある」と説明する。男性の施設には手作りの小屋があり、柵の中などで約100匹の犬が飼われていた。

 

 小型犬80匹を遺棄・放置したとして、11月に逮捕された木村容疑者は、県警の調べに「これまでに犬を引き取ったことが何度かある」「売れる犬は売り、後は譲るつもりだった」と供述し、「引き取り業」を仕事にしていたとみられる。

 80匹は愛知県半田市の女性ブリーダーが飼っていたものだった。女性によると、廃業を決めた際に連絡したのが、かつてペット関係のイベントで知り合った木村容疑者だった。「100万円払ってくれたら全部引き取る」と言われ、その通りにした。木村容疑者は犬を木箱いっぱいに押し込み、トラックに積んで立ち去ったが、多くの犬が、愛知からの輸送中に劣悪な環境で死んだとみられる。

 

 環境省によると、ブリーダーやペット店は、ピーク時の2011年には全国で約2万4000業者が登録していたが、その後、2500以上減少した。

 一方で、廃業したペット店などから犬猫を引き取ると大量に殺処分することになるため、自治体はそれを避けようと、数年前から引き取らなくなった。さらに昨年9月の改正動物愛護管理法施行で、自治体の引き取り拒否が明文化された。環境省は「譲渡先も含め、最後まで業者が責任を持つべきだ」とする。


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