最後の贈りもの



家族のみんな
今まで本当にありがとう
やんちゃなぼく(わたし)を
いっぱいいっぱい可愛がってくれたね
小さなぼく(わたし)を大きな愛で
いっぱいいっぱい包んでくれたね
本当にうれしかった

最初みんながぼく(わたし)を選んでくれたから
このお家で暮らすことができた
ぼく(わたし)から暮らせるお家は選べないから
本当に運が良かった

ぼく(わたし)がみんなにできることといえば
かんたんな芸ぐらいだったね
あとはあれがしたい
これがほしいと
わがままばっかり言っちゃったかな

でも最後にぼく(わたし)から贈りものがあるよ
なんだと思う?
それはね
生きているものいつかは必ず死ぬということ
今のぼく(わたし)がそうなんだよ
この地球上で生きているものもいつかは一緒
それに例外なんてないんだよ
だからぼく(わたし)は毎日
自分にできる精いっぱいのことをした
でもみんなに迷惑かけたこともあったけどね

ぼく(わたし)はみんなより先に死んで良かったと思う
なぜだと思う?
みんなが先に死んだらぼく(わたし)は
どこに行けばいいの?
どこで寝ればいいの?
誰から食事をもらえばいいの?
知らない人のところになんか行きたくない
ぼく(わたし)はこのお家が大好きだし
ここのみんなが大好き
だからこれで良かったんだと思う

みんなはぼく(わたし)の命が
短かったと思っているけど
ぼく(わたし)にとってこれは普通なんだよ
長く生きる短く生きるいろいろあるけど
それよりぼく(わたし)は毎日
自分にできる精一杯のことをした

今はぼく(わたし)が死んで悲しいかもしれないけど
でもぼく(わたし)は大丈夫
だってみんなの心の中で生きているから
このお家でみんなと暮らせたことは
ぼく(わたし)にとって消えることのない宝物
そして最後の贈りものがみんなの役に立つことが
ぼく(わたし)が生きた証しなんだ
この贈りものが届いているといいな