愛するエリザへ

愛するエリザへ


出会いは19年前、真っ白な子猫が職場で拾われてきたのが最初だった。 仕草が可愛く、手のひらに乗るくらいの小さな身体で、一生懸命生きようとしている姿を見て私は夢中になり、休日には餌を運んで可愛がっていた。

しかしある日、「職場では飼えないからどうにかしてほしい」と告げられた時、猫アレルギーの息子がいるにも関わらず、 家に連れて帰ろうと思い、家族に一生に一度のお願いと頼んで受け入れてもらった。 警戒心が強く、抱っこされるのが大嫌いだったエリザ、お母さんのそばにいつもいてくれたね。

息子達も順調に育ち、家の福猫だと自慢していたんだよ。

でも今年の3月下旬から食欲がなくなり、私は老衰と認めたくなくて、なんとかもっと長生きしてほしいと病院での処置を繰り返したが、 体重は減る一方で、そんな中エリザがすごい剣幕で怒った時、お母さんは決断したの。もう嫌がることはしないよって。 歩くのもやっととなり、「外に出して」とねだり、抱っこされて散歩していれば気持ちのいい顔をしていたね。

亡くなる前の日、お母さんを呼んで優しい目でずっと見つめてくれた時、ありがとうって言ってくれたのを感じたよ。 すごく悲しかったけど、お母さんもありがとうって抱きしめたよね。悔いのない最後だったよ。 そしてエリザ、いろいろな思い出をありがとう。いつまでもエリザのこと忘れないよ。

お母さんより

南越前町 嶋橋家