猫ちゃんが増えて来ている、空前の猫ブームなどありますが、飼育頭数で猫ちゃんがワンちゃんを抜くのはほぼ確実となりました。
その理由を日本経済新聞ではこう解説しています。
■人気がなぜ犬から猫にシフトしたのか?
どうして人気が犬から猫にシフトしているのだろうか?
「犬は猫に比べて散歩やしつけ、餌やりなどでより手間がかかるため」(電通ビジネス・クリエーション・センターの奈木れいさん)という。たしかにマイペースで生活している猫に比べて、犬は飼い主とのコミュニケーションが濃密で散歩に出掛けたり、トリミングなど身の回りの世話もより手がかかる。犬好きにとってはその世話をするのが大きな魅力だが、特に最近は負担がより少なくて飼いやすい猫の方が好まれる傾向があるようだ。
これには社会構造の変化も関係している。
厚生労働省の統計を調べると、日本国内の世帯数が増える一方、平均世帯人員はどんどん減っている様子がうかがえる。世帯構成が細かく分裂する現象が起きているのだ。世帯数は1986年には3754万だったが、2013年には5011万に増加。一方、平均世帯人員は同時期に3.22人から2.51人に低下した。
祖父母、両親、子どもからなる「3世代世帯」や「夫婦と未婚の子どものみの世帯」などが減り、一人住まいの「単独世帯」や子どもがいない「夫婦のみの世帯」などが大幅に増えているのが主な原因。
一人住まいや共働きなどの世帯にとって、「手のかからない猫の方が飼いやすい」というわけ。
■世話、世帯構成、経済、住環境などが原因
経済的な要因もある。
犬と猫を比べると、平均余命はともに14歳台で同程度。だが、生涯必要経費はそれぞれ118万5248円と70万3202円で犬の方が飼うのにかなりお金がかかることが分かる。特に犬では中型・大型犬(平均余命13.74歳、生涯必要経費115万2466円)より小型犬(同13.81歳、同122万5676円)や超小型犬(同15.32歳、同131万8801円)の方が平均余命が長く、必要経費も高い。
これらに加えて、鳴き声や散歩の際のオシッコやフンが周囲に迷惑になるなど地域や住環境の問題もある。ひところの犬ブームがやや落ち着いたことも影響しているようだ。
犬人気が低下し、猫人気が根強い背景にはこうした要因があると考えられている。
ちなみに飼育阻害要因をペットフード協会が2014年の調査(複数回答可)で聞いたところ、犬の2位に「十分に世話ができない」(24.6%)が入った。犬の方がやはり世話により手がかかることが障害になっているためだろう。一方、猫では「十分に世話ができない」(22.2%)が4位。「お金がかかる」(23.8%)などよりも低かった。
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